第3回ネット交流会 「非変異発がんとエピジェネティクス」

 2021年6月19日(土)14:00-16:00頃(最大延長17:00)

第2回 ネット環境エピジェネティクス交換会報告

日時:11月3日(文化の日)午後2時から4時20分

内容

1・参加者の「自己紹介」(続き)(30分)

2・「変異蓄積マウスの話」(30分)

内村有邦 氏(公財・放射線影響研究所)

3・「エピジェネティクス継世代遺伝について」(30分)

    澁谷 徹 氏 (”Tox21" 研究所)

4・これからの環境エピジェネティクスについて

(総合討論)(30分)

第2回「環境エピジェネティクス研究ネット交流会」の報告

 大変遅くなりましたが、11月3日(文化の日)に開催した「第2回環境エピジェネティクスネット交流会」のご報告をいたします。

最初に、今回初参加の羽倉昌志さんから、自己紹介を兼ねて、研究現場で、化学物質の変異原性と発がん性との間に明らかな解離が認

められる例が散見され、その橋渡しとして、エピジェネティクスに期待している。しかし、具体的な実験手法が不明なので教えていた

だきたいという発言があった。

次に内村有邦さんが、これまで長年やってこられた「変異蓄積マウスの話」を話された。内村さんは変異マウスを代々飼育され、変異

の蓄積を観察されておられる。しかし、変異したマウスの多くは生殖障害を伴うことが多く、途中で絶滅してしまうラインが多く、人

工授精で辛うじて継いでおられるなどの苦労話を述べられた。また、発生中のマウス胎仔の個々の細胞におけるエピジェネティク変異

をすべて解析するという壮大な研究を紹介された。その研究成果はこれからであるが、その結果は大いに期待される。

最後に澁谷 徹が、長年の文献検索による「エピジェネティック継世代影響(ETI)」の紹介を行った。ETIは、さまざまな環境因子(化学

物質・栄養状態・親の養育状態など)が暴露されていない世代においても、環境因子の影響が認められるという現象で、これはSkinnerら

(2005)のVinclozolinの始原生殖細胞期の投与後、無処理メスと代々交配を続けることで初めて観察された、新しい現象である。これは、

これまでの生物学や毒性学の定説を打ち破るものである。それらの作用機作は、DNAメチル化、ヒストン修飾さらに無標的RNAとが絡ん

だ現象であるらしく、今後、詳細な分子メカニズムが解明できよう。ETIは、動物実験だけではなく、ヒトにおいても確認されつつあり、生

物学でも幅広い重要な研究テーマとなりつつある。日本では、ETIの研究は少数の研究機関で実施されているに過ぎず、参加者にETIが今後

の生物学・毒性学における重要なテーマであることが認識された。 

その後参加者間の自由な討議が行われたが、時間が少なく、深い議論は出来なかった。参加者は前回約10名でと同様であった。今回の交流

会で、お互いの仕事の内容や「環境エピジェネティクス」に対する理解が共有されつつあるように思われた。この会では、来年3月までに「

環境エピジェネティクスシンポジウム―環境エピノミクスの目指すもの」をネット形式で開催する予定であり、テーマや講演者についての希

望を募集中であることが披瀝された。(澁谷 徹 記)

第1回 ネット形式による環境エピジェネティクス交換会」を9月26日(土)の午後2時から4時頃まで

環境エピゲノミクス研究会(EEG)報告

 

 9月26日の午後、リモート研究集会として「ネット環境エピジェネティクス交流会」を開催しました。

参加者は十人程度で当日急遽参加された方したが、もあり、北は北海道旭川、南は広島や福岡からの参加者がありました。一部でマイクの不調

などもありましたが、内容の充実した会であり、予定の2時間があっという間に過ぎてしまいました。

会は最初に、「環境エピゲノミクス研究会」の歴史とその再開についての経緯を述べさせて頂きました。その後、全参加者の自己紹介とこの研究

会への希望などについて率直な意見交換をする事が出来ました。その中では、ギャップジャンクションの阻害/促進、卵内修復、非標的突然変異

、遺伝子不安定性、全胚培養および精子損傷など、それぞれの研究テーマから「環境エピジェネティクス」へのアプローチが示され、この会の今

後に大きな可能性を感じさせる交流会となりました。また、「環境エピジェネティクス」は幅広い毒性事象と関連していることがよく理解でき、

この会の意義が再確認されました。

 また11月3日(文化の日)午後2時から、「ネット環境エピジェネティクス交流会」を再度開催いたします。内容は変異蓄積マウスの話(内村

有邦氏)」と「エピジェネティック継世代遺伝(澁谷 徹氏)」で、その後自由討論を行います。多くの方のご参加をお願いいたします。

また、来年春頃には「ネット環境エピゲノミクス研究会シンポジウム((無料)」の開催を予定しております。このシンポジウムについての発表テー

マや講師の先生についてのご希望がございましたら、是非上記アドレスまでご連絡ください。

EEGではHP(http://eegs.web.fc2.com/)も開設しておりますので、環境エピジェネティクスに関する情報やご意見などお寄せいただきたいと思

います。

以上どうかよろしくお願いいたします。 

          「環境エピゲノミクス研究会」再開発起人      

                       澁谷 徹

                   t.shibuya.tox21@zpost.plala.or.jp

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