続澁声徹語 第5回 「ラグビー・ワールドカップ」

昨今のコロナ騒ぎですっかりスポーツ界がしぼんでしまった。そこで、昨年大いに盛り上がったラグビーワールドカップ(WRC)で日本が善戦し、日本中が大いに盛り上がった

ことを思い出してみたい。地元開催でいろいろと有利ではあったものの、日本は9回目の出場で、初めて決勝トーナメント(8強)に進出できた。日本のラグビーが強くなってい

るのは間違いない。しかし、これ以上の躍進は難しいことだろう。世界の壁はとても厚いのである。

 

私は60年にもわたるラグビー愛好家であり、テレビでさまざまな試合を観戦してきた。秩父宮や瑞穂などで観戦した試合も多い。その間にトライの得点は3点から4点、今では5

点になり、ペナルティートライの7点にまで増えた。ラグビーでは、攻撃側に有利になるように毎年のようにルールが変更されている。

 

私はスコットランドとロシア戦を観戦したが、ロシアは零敗であった。スコットランドの得点の度に、民族衣装の男性がバグパイプを演奏し、ロシア勢は見る影もなかった。今回

面白いことに、超大国のアメリカとロシアはいずれも予選で全敗であった。中国に至ってはラグビーが存在するとも思えない位だ。アイルランドは連合王国の一つのカントリー(

国)だが、過去には内戦の最中にも統一チームで戦ったという。それは、ラグビー協会が、内戦前に創設されていたからであるからだという。イングランド、ウェールズ、スコッ

トランドなども強かった。

 

WRCでは国籍条項は適用されず、日本代表の出身国は7か国にも上り、日本の国籍を持たない選手も出場していた。主将は前回と同様、ニュージーランド出身の、リーチ・マイケ

ルで、しっかりとキャプテンシィーを発揮していた。これこそがラグビーの神髄であり、その結果ラグビーは世界中に普及してきたのだろう。国家という概念をもう一度考えされ

られた今回のWRCであった。

 

オリンピック(2021年?)を観戦する時、多くの人は驚くだろう。出場選手は7名で、ハーフタイムは7分しかない。15人制では、オリンピックの日程内で終了できないからだと

いう。ならばオリンピック種目となることを辞退すればよいと思う。15人制と7人制のラグビーはほとんど別のスポーツであるのだ。

   ラガーらの腕のタトーや秋疾風   徹 (05/01/2020)

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