続澁声徹語 第13回 「座禅」

 私は何時のころからか、禅に引かれるようになった。最初は、駒澤大学の講演を受講したことから始まったと思う。さまざまな講師の話す禅の世界には大きな魅力があった。

その時は講演だけで座禅は行われなかった。それまで私は、「駒沢大学」が曹洞宗の運営する大学とは知らなかった。

 

 その後、南足柄市の大雄山最乗寺(曹洞宗の第三位寺院)の「参禅会」を知り、日曜の午後に参加してみた。修行僧から簡単な座禅の作法を教えていただき、すぐに40分の

禅が始まった。始めるとすぐに「来るんじゃなかった」と反省が始まる。組んだ足の痛みが始まった。40分とても長く感じられ、止静の鐘でやっと解放された。ひんきん(

歩く座禅)をはさんで、座禅がもう一本続いた。

 

最乗寺では、「夏季参禅会」にも参加した。これは2泊3日で、朝の4時前に振鈴でたたき起こされ、まず暁天座禅から始まり、食事、作務を挟んで座禅が日に4,5回は行われた。

行事は規則正しく決められており、ゆとりなどなくそれらに身を任せるしかなかった。最乗寺にはまた1月から参禅会にかよっている。

 

その後、鶴見の總持寺でも座禅をする機会があり、たびたび座った。古い僧堂を使うのでとても気合が入る。しかし、この寺は曹洞宗第二位の寺で、すべての作りが壮大過ぎて、

いまひとつ親しみが持てない。やはり大本山永平寺(曹洞宗第一位)の静けさが好ましく、是非、一度ここで座禅をと考えている。

 

近くの黄檗宗瑞応寺の座禅会は、月1回ではあるが行っている。黄檗宗は中国から隠元禅師が直接伝えた禅宗であり、そのためかいささか中国風な雰囲気が感じられるのが面白い。

また、座布が大きくてゆったりで坐り心地は大変いい。ここの和尚は黄檗宗の管長であり、その提唱はいささか難解である。

 

最近のコロナ禍ですべての座禅会は中止されてしまった。家では1月ころから一人で座禅をやっているが、どうも集中できない。最近「臨済黄檗青年僧の会」がネットで座禅をやっ

ていることを知り、参加している。ネットで座禅をやるのは妙な感じだが、皆で座禅をやっているという連帯感を得ることは出来る。

   警策の乾きし音や寒に入る     徹   (06/26/20)

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