Assessment of Glyphosate induced Epigenetic Transgenerational Inheritance of
Pathologies and Sperm Epimutations : Generational Toxicology
D. Kubsad, E. C. Nilsson, E. King, I. Sadler-Riggleman, D. Beck and M.K. Skinner (Oregon State Univ. )
Scientific Roports:9:6372-6390 2019
Glyphosate(Roundup)によって誘発されたエピジェネテック継世代遺伝の病理学的および
精子のエピ変異
:継世代毒性学の評価
要約 さまざまな環境因子や毒物の先祖世代に暴露することによって、
さまざまな成人疾患が発症する「エピジェネテック継世代遺伝」を促
進されることが認められている。世界中でもっとも使用されている農
薬の一つが除草剤のGlyphosate [N-(phpsphonomethyl)glycine]
であり、一般にはRoundupという名前で知られている。Glyphosateの投与世代に
おける毒性に関しては、否定的な報告が増加しているが、世代を越えた毒性に関して
は、厳密な実験は行われていない。この研究では、妊娠したF0世代のメスラットへの
直接投与においては、何らGlyphosateの影響は認められなかった。また無処理オスと
の交配によって得られたF1世代でも異常な病理所見は認められなかった。
これとは全く逆に、F2世代およびF3世代においては、病理学的な異常
所見が増大することが認められた。世代を越えて出現した異常所見は、
前立腺異常、肥満、腎臓病および卵巣異常などであり、分娩(出産)異常
も認められた。F1,F2,及びF3世代の精子のエピ変異の解析を行い、さまざまに異なっ
た部域での多くのDNAのmethyl化(DMRs) が認められた。これらのDMRsが認めら
れた遺伝子を同定したが、これらの変化はこれまでの研究によってそれぞれの病理所見
に対応することが認められたものであった。それゆえ、われわれはGlyphosate投与が
生殖系列の細胞(精子)にエピ変異を誘発し、これが「エピジェネテック継世代遺伝」
による疾患を誘発することを確認した。これらの実験結果は、Glyphosateについては
継世代実験を行って、将来の世代における疾患について解析することの必要性を示唆し
たものである。